三叉神経痛の外科手術体験談と手術費用|激痛耐え太郎ブログ
三叉神経痛で悩んでいる方の中には手術を検討されている方も多いと思います。この記事では激痛耐え太郎が実際に脳神経外科にて外科手術を受けたときの体験談と、その際にかかった費用について詳しく書きました。手術を検討されている方は是非一度ご覧になってください。

三叉神経痛の外科手術体験談と手術費用について

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本記事は、私(激痛耐え太郎)が三叉神経痛を発症するまでの経緯や、脳神経外科にて外科手術(神経血管減圧術)を受けたときの体験記録、および外科手術にかかった費用について詳しく書いたブログ記事です。
外科手術(神経血管減圧術)は三叉神経痛を根治するための唯一の方法で、その成功率は90%程度と言われていますが、実際に脳神経外科で外科手術を受けるというのはかなり勇気のいることです。私自身も三叉神経痛を発症してから、外科手術を受ける決意をするまで9年かかりました。
三叉神経痛の外科手術治療を検討している方や、外科手術の実際の費用を知りたい方は、参考になる部分も多いと思いますので、是非ご一読ください。

 

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三叉神経痛発症から外科手術に至るまで

 

私が三叉神経痛を発症したのは2010年10月です。仕事の人間関係で強いストレスがあり、それが引き金で痛みを感じ始めたのはハッキリ覚えています。右の下顎あたりが痛くなり、最初は原因が分からず、かかりつけの歯科に行きましたが、虫歯等ではないと診断されました。

 

続いて、かかりつけの耳鼻咽喉科に行き、痛みを訴えると、抗生物質等を処方してくれましたが、それでも痛みはおさまりませんでした。これは顎関節症の疑いがあると言われ、大きい病院の口腔外科を紹介していただきました。口腔外科で精密検査を受けて診察していただきましたが顎関節症ではないと診断され、最終的に神経内科に回されました。

 

神経内科ではテグレトールとロキソニンを処方され、しばらくはそれを服用しながら様子を見ようということになりました。テグレトールは三叉神経痛に非常に効果があり、これを服用して数ヶ月経過したときに、三叉神経痛の痛みが嘘のようになくなる時期が訪れました。しかし、三叉神経痛はその後も半年周期くらいで再発し、テグレトールを数ヶ月飲んで治癒しては、また数か月後に再発し・・・という繰り返しで9年が経過しました。

 

三叉神経痛の痛みというのは電気ショックのように、右の下顎あたりや、右の頬あたりを痛烈な痛みが走るものです。私の場合は喉の右奥歯に近いあたりがトリガーポイントで、食事の際にトリガーポイントに食べ物や水が接触すると三叉神経痛が誘発されることがほとんどでした。ですから、三叉神経痛が重症化すると食事がまともにできなくなり、最悪の場合はウイダーinゼリーのようなゼリー状のものを流し込むことしかできないこともありました

 

しかし、9年もこの痛みと付き合っていると、さすがに痛みの我慢の仕方も分かってきて、痛みを我慢して一気に食事をするという芸当もできるようになりました。そんな感じで、三叉神経痛が発症した期間はテグレトールと鍼灸治療を併用しながら痛みを我慢して食事を取り、発症期間を乗り切るという闘病スタイルが続いていました。

 

 

2019年春に今までにない激烈な痛みが襲う

 

2010年に初めて三叉神経痛を発症したときに比べると、再発した場合の対処の仕方として、テグレトールと鍼灸治療を施すというスタイルを確立していたので、三叉神経痛の怖さもだいぶ軽減していました。しかし、そんな中、2019年の春に今までにない痛烈な痛みが右頬を走りました。今までは右顎の辺りでとどまっていた痛みが、右頬を伝って、右のこめかみの辺りまで登っていくようになったのです。

 

この「こめかみまで来る痛み」が強烈で、一度この痛みが発症すると、食事中であれなんであれ、一度横になって安静にしないととても我慢できない程のものでした。なぜ、今まで右顎あたりでとまっていた三叉神経痛がこめかみまで登ってくるようになったのか、その原因は分かりませんが、とにかく過去9年間で経験したことのない痛みに襲われました。右顎でとどまっている痛みであれば、我慢して食事をすることもできましたが、こめかみまで登った痛みは猛烈で、とても食事どころではなくなりました

 

かかりつけの神経内科の先生にこの症状を訴えると「まだ若いし、痛みを根治できる方法があるから手術を考えた方がよい」と外科手術をすすめられました。そこで、紹介状を書いていただき、全国でも指折りの脳神経外科の専門病院で手術をする覚悟を決め、その病院の筆頭クラスの医師に診察してもらいました。

 

三叉神経痛の外科手術治療で代表的なものは「神経血管減圧術」と言われるもので、三叉神経を圧迫している血管を適切に処置することで痛みを根治するものです。手術の成功率は90%程度と言われており、根治に成功した場合は手術の直後から痛みが消えるそうです。

 

「全身麻酔の手術で1週間程度の入院が必要になるが、三叉神経痛を根治する唯一の方法であり、痛みを長く抱え続けるくらいなら手術で根治した方がよい」と脳神経外科の担当医師からも外科手術を強く勧められました。私も今までの右顎部の痛みくらいは我慢できると思いましたが、さすがにこめかみまで登ってきた痛烈な痛みに長く耐えることはとても無理だと感じていましたので、すぐに手術を決意しました。

 

 

手術前のMRI検査で原因血管が特定できず

 

まず外科手術に際して、MRIで頭部の断面写真を撮影し、痛みの原因であるところの三叉神経を圧迫している血管を特定する作業を行っていただきました。しかし、このMRIの画像を見て担当のドクターが言い放った言葉は予想外のものでした。

 

「はっきりと原因となる血管が映っていないなぁ」

 

そうです。私のMRI画像を見ると、三叉神経を圧迫している(と予想される)血管がうっすらとしか映っていなかったのです。典型的な患者の場合は、MRI画像に三叉神経を圧迫している太い血管がハッキリと映るそうなのですが、私の場合はそれがぼんやりとしか見えないというのです。

 

「あとは実際に手術をしてみないと分からないが、太い血管が原因でない可能性があるその場合は原因不明ということになるが、(補助的な処置として)神経経路をほぐすなどの処置を行うことにする」との説明を受けて、私は「そうは言っても90%の確率で治るんだし、なんとかなるだろう」と思い、了承の印鑑を押しました。

 

 

いざ手術!しかし予想外の結果が・・・

 

手術は月曜日の午後に始まりました。全身麻酔ですが、右手の甲のあたりに点滴の針を差し込み、そこから麻酔薬を流し続けることで、外科手術の時間中だけをピンポイントで麻酔することができる、とのことでした。麻酔が始まった瞬間から意識はなくなり、手術は始まりました。

 

手術の経過はもちろん、私は知ることはできませんが、この病院では手術状況を患者の家族・親族が手術室の外にあるモニターで見ることができます。このモニターを見ていた父が教えてくれた話によると、非常に精密な機器を使って脳内の患部にたどりつき、非常に手際よく手術を進めてくださったようです。さすがは熟練の脳神経外科医だと父も非常に感心していましたので、担当してくださったドクターの手術の実力は非常に高かったのだろうと思われます。

 

手術が無事に終わり、麻酔が切れ、うっすらと意識が戻ってくると、父母が「よく頑張ったな」と声をかけてくれているのがうっすらと見えました。そのまま、集中治療室に運ばれ、一泊はここで過ごすことになります。

 

しかしそのときに、猛烈な痛みが私を襲いました。手術の際にメスを入れた部分の「傷口の痛み」ではありません。手術で根治するはずだった「三叉神経痛の痛み」が数倍程度の強烈な痛みとなってまた襲ってきたのです。しかも、安静にしてようがなにをしてようがおさまる様子はありません。

 

「ズキーン!ズキーン!ズキーン!」と心臓の鼓動に合わせるかのように、三叉神経痛のピークが走り続けます。たまらず看護師に痛みを告げると、痛み止めの点滴を追加してくれたようです。しかし、痛みはなかなかおさまりませんでした。

 

「おいおい、三叉神経痛治るんじゃなかったのかよ・・・」と、思いつつも、とにかく痛みに耐え続けました。あまりの痛みに眠ることなどほとんどできませんでしたが、気絶したように1~2時間くらいは寝たようです。

 

 

外科手術後三日三晩は地獄が続く

 

手術の翌朝(火曜日)になり、オペ担当のドクターが様子を見に来られましたので、私は「三叉神経痛があまりにも痛い。テグレトールをなんとか処方してもらえないか」と訴えました。しかしドクターは「三叉神経痛を根治する手術をしたのでテグレトールを使うと改善状態が分からない。テグレトールは禁止!」と冷たく通告されました。

 

テグレトールを使わずに、地獄のような三叉神経痛ラッシュに耐え続けることになりました。意識はハッキリしており、三叉神経痛が襲ってくる以外は経過が良好だったこともあり、この日の午後に一般病棟に移りました。

 

火曜日の午後には一般病棟に移動しましたが、三叉神経痛はおさまりません。しかも、術後の経過のせいか、起き上がろうとするとめまいと吐き気が襲ってきて、起き上がることもできません。食事を運んできてはくれるのですが、起き上がると吐き気がするので、とてもではないが食べられる状況ではありませんでした。

 

結局、手術日を含む三日三晩(月曜日~水曜日)は全く何も食べられず、OS-1ゼリーを少しなめながら、点滴だけで過ごしていました。三叉神経痛とめまいと吐き気で、手術日の夜、手術翌日の夜はほぼ一睡もできませんでした。手術翌々日の夜にはようやく症状が少し安定してきて眠ることができました。

 

このとき、やはり小脳周辺の手術をした影響かもしれませんが、夢(というが不思議な幻像?)を見ることになりました。何かよく分かりませんが、連続写真のようなものがフラッシュバックのようにバババッと頭の中を駆け巡るようなものでした。

 

私はホラー映画などは全く見ないのですが、なぜか、残虐な写真のようなものが瞬間的に連続写真のように頭の中に投影されていました。ただ、写真の内容はほとんど気にならず、そのように映像が連続で投影されていく不思議な現象に対する驚きの方が大きかったです。

 

そのような不思議な現象を体験し、翌日(木曜日)の朝になると、吐き気とめまいの症状は一気に軽くなっていました。

 

 

三叉神経痛の根治には至らずも痛みは改善

 

手術の三日後(木曜日)の朝からは、ベッド上で体を起こしても吐き気やめまいがほとんどしなくなり、普通に食事ができるようになりました。外科手術から数日経過したにもかかわらず三叉神経痛がおさまらないため、ドクターには結局テグレトールを再開してもらいました

 

しかし、今回の外科手術で神経血管減圧術と並行して、「三叉神経に続く神経経路をほぐす処置」を施してもらったおかげが、食事の際の痛みは大きく軽減されました。手術前は固形のものを食べると激痛が走るため、流動食のようなものしか食べられない状況でしたが、手術後は普通の病院食をきっちり食べれるようになりました

 

めまいや吐き気はかなりおさまったものの、立ち上がった際のふらつきは残っていたため、結局病院には2週間入院することになりました。この2週間の間もテグレトールを飲まないと三叉神経痛はおさまりませんでしたが、食事については(我慢しながらであれば)普通食を食べれるくらいには痛みが軽減していきました

 

入院からちょうど2週間で無事に退院することができましたが、急激に体の向きを変えたりするとめまいの症状が起きるため、元の日常生活にすぐに復帰するのは難しい状況でした。また、神経経路をほぐしてもらったため、食事を食べられるようになったとは書きましたが、その弊害として右顔面がやや麻痺した状態となり、右目を強く閉じることができず、口の右半分も歯医者で麻酔をかけられたような状態がしばらく続きました。

 

「三叉神経痛の根治には失敗したが、補助的処置により痛みは段階的に軽減し、手術後半年程度で完全に痛みが消失するまで回復した。ただ外科手術の弊害として、軽いめまいや顔面麻痺のような症状はしばらく続いた」というのが、今回の手術の最終的な結論です。

 

 

三叉神経痛の外科手術にかかった費用

 

最後に脳神経外科での外科手術(神経血管減圧術)にかかった費用について述べておきます。

 

まず、外科手術のための入院手続きの際に、「限度額適用認定証」の交付を事前に受けるように指示がありました。これは自分が加入している公的医療保険で手続きをすれば発行してもらえるもので、入院に際して「限度額適用認定証」を提示することで、窓口負担額が自己負担限度額までに抑えることができます。逆に、「限度額適用認定証」を提示しないと、一時的に入院・手術費用の全額を立て替えなければいけません。三叉神経痛の外科手術はそれなりに高額な費用がかかりますので、手術を受ける際は事前に必ず「限度額適用認定証」を交付してもらうようにしましょう。

 

さて、私の場合、「限度額適用認定証」を提示した上で、三叉神経痛の外科手術(入院期間は二週間)にかかった費用(窓口負担額)は「107,347円」でした

 

 

後日に届いた「医療費のお知らせ」を見ると、公的医療保険の支払額は「1,125,133円」と記載されていましたので、もし「限度額適用認定証」を提示出来なかった場合は、一時的に「1,232,480円(実際の入院・手術費総計)」を立て替え払いする必要があったことになります。もちろん、「限度額適用認定証」を提示出来なかった場合でも、高額療養費支給制度を利用することで、自己負担額を超えて支払った額については、約3~4ヶ月後に還付されますが、一時的にせよ100万円を超える高額医療費を立て替えることは、家計に大きな負担がかかりますので、三叉神経痛の外科手術受ける際は、病院の説明をしっかり聞いた上で、必ず「限度額適用認定証」の交付を事前に受けるようにしましょう

 

また、もちろんのことですが、「三叉神経痛の外科手術にかかる総費用」は、病院や事前の検査内容によって変わってきますし、「自己負担限度額」も自身の所得区分により変わってきますので、私の場合のケースはあくまで参考目安としてご覧いただき、ご自身が手術を受ける場合は病院および公的医療保険にてしっかりと説明を聞いて、自己負担額がいくらになるかを確認してから手術を受けるようにしてください。

 

 

まとめ

 

今回の外科手術(神経血管減圧術)では三叉神経痛を根治することはできませんでしたが、ドクターが神経血管減圧術と並行して神経経路をほぐす処置を施してくれました。その結果、手術前の激痛は大きく軽減され、食事は普通に食べれるようになり、手術後半年で痛みが完全に消失するまで回復しました。一方で、手術の弊害として右顔面が軽く麻痺するような症状が数ヶ月続きました。

 

食事がまともに食べられないというのは、食事を楽しめないというだけではなく、栄養を正しく摂取できないという意味で健康生活に大きく影響します。その点で、食事がしっかり取れるようになったという意味では手術をして正解だったと思います。

 

しかし、右顔面麻痺の症状は予想してなかったことなので、回復するまではかなり違和感がありました右目を強く閉じることができず、口の右半分は歯医者で麻酔されたときのような感覚が続くので、コップで水を飲むときも気を付けないと口の右側からもれてしまうような状況でした。ただこの症状も手術後3ヶ月くらいから徐々に回復し、半年も経過するとほぼ元通りの感覚に戻りました。(軽いめまいの症状は2~3ヶ月もすればかなり回復するので、車の運転等はそのくらいからできるようにはなりました)

 

これから三叉神経痛の外科手術を検討されている方もたくさんおられると思いますが、90%程度の確率で成功するといわれる外科手術(神経血管減圧術)であっても、私のように根治に至らないケースもあるということは知っておいてください。ただ、根治ができなかった場合であっても、その他の処置を組み合わせることで、私のように痛みを大幅に改善できるケースもありますので、耐えられないような強烈な痛みに襲われているのなら、外科手術(神経血管減圧術)は十分検討に値する治療法であると思います。

 

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